高血圧

高血圧の病気について

高血圧は、血圧が一般的な範囲を超えて持続する状態を指します。正常な血圧は、通常、収縮期(心臓が収縮するときの圧力)で120mmHg未満、拡張期(心臓がリラックスするときの圧力)で80mmHg未満とされます。高血圧の原因は多岐にわたり、遺伝、食生活、肥満、ストレスなどが挙げられます。未治療の高血圧は、心臓、腎臓、脳などの重要な臓器へのダメージを引き起こす可能性があり、心筰性疾患や脳卒中のリスクを高めることが知られています。ライフスタイルの改善や薬物療法などにより管理が可能であり、早期発見と適切な治療が重要です。

「健康診断で血圧が高いと言われたが、症状もないため何をすればいいのかわからない」
「薬を飲み続けることになりそうで、病院を受診するのを躊躇している」
血圧について指摘された方の中には、このような理由で通院につながらない方もいるかもしれません。
「血圧が高い」と言われたらまずは受診し、私達とともに治療方針を決めることから始めましょう。

高血圧症とは

高血圧とは、血圧が高い状態を指します。
健康な方でも、時間帯や気温の変動、運動の影響などで一時的に血圧が高くなることがありますが、それは病気とは診断されません。
「高血圧症」と診断されるのは、少なくとも2回以上の異なる機会での血圧測定値が以下の基準よりも高い場合です。

項目 収縮期血圧(最高血圧) 拡張期血圧(最低血圧)
診察室血圧 140mmHg 90mmHg
家庭血圧 135mmHg 85mmHg

出典:日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2019

高血圧の状態が続いた場合に起こる病気

高血圧の状態が続くと、血管に負荷がかかり続け動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化は、脳や心臓以外にも腎臓といった他の臓器の病気を引き起こすリスクも高めます。
つまり、高血圧をそのままにしてしまうと、以下のような合併症を引き起こす可能性があります。

  • 脳卒中

    脳の血管が詰まる脳梗塞や、血管が破れる脳出血によって、麻痺や意識障害を引き起こします。最悪の場合、命を落とすこともあり、治療後に後遺症が残ることも少なくなりません。

  • 心疾患

    心臓の筋肉を養っている血管(冠動脈)が動脈硬化で詰まってしまう心筋梗塞・狭心症や、心不全などの心疾患を引き起こします。心筋梗塞は血管が上昇する時に多発すると言われています。

  • 慢性肝臓病

    高血圧は腎臓にも大きな負荷をかけてしまい、腎機能障害を引き起こすこともあります。腎機能が低下すると、人工透析を受ける必要があります。

高血圧の原因について

高血圧症は、原因がはっきりしない「本態性高血圧症」と他の疾患や薬剤が原因で発症する「二次性高血圧症」の2つに分類されます。
高血圧症と診断された人のおよそ80~90%が本態性高血圧症ですが、実際は右にあるようにさまざまな要因が関わっていることが分かっています。

残りのおよそ10~20%が二次性高血圧症と言われています。
睡眠時無呼吸症候群、ホルモンの分泌異常、薬剤の副作用などが原因で二次性高血圧症と診断されますが、適切な治療や薬剤の調整など、原因を取り除く治療が行われます。

高血圧につながる事柄

  • 塩分の摂りすぎ
  • カリウム(野菜等)不足
  • 肥満
  • 過度の飲酒
  • カフェイン過剰摂取
  • 運動不足
  • 睡眠不足
  • ストレス
  • 喫煙
  • 加齢

血圧を上げないための治療法

高血圧の治療を確実に行うことで血圧は下がり、血圧を下げることで脳卒中や心疾患などの病気のリスクを低減することができます。ここでは高血圧症でも特に多い本態性高血圧症についての治療法について紹介します。

本態性高血圧症は2つの治療法があります。

  • 生活習慣の改善
  • 内服療法

1生活習慣の改善

  • 塩分制限(6g以下/日以下)
    →塩分を摂り過ぎないようにする。
  • 適度な運動(30分以上のウォーキング等)
    →運動不足を解消する。
  • カリウム適正摂取(1日2g以上=両手一杯の野菜)
    →カリウムを必要量摂取する。
  • 適度な睡眠(できれば7時間、最低6時間)
    →睡眠不足を解消する。
  • 減量
  • 各種ストレス解消対策、リフレッシュメント
    →ストレスを蓄積しないようにする。
  • 節酒(エタノール20g/日以下)
    →過度の飲酒を避ける。
  • 禁煙
    →たばこの喫煙を避ける。
  • カフェインの適正摂取
    →カフェインの過剰な摂取を避ける。

2内服療法

①の生活習慣改善を行っても血圧コントロールが不十分な場合には、内服治療が必要になります。
降圧剤としては、以下のものがあります。

  • カルシウム拮抗剤
  • アンジオテンシン変換酵素阻害剤
  • アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤
  • 利尿剤
  • β遮断剤
  • α遮断剤
  • アルドステロン拮抗剤

新たなアプリ治療について

アプリ治療を、現在の治療と併用することで、その問題を解決できる可能性があります。

  • 生活習慣改善をやってうまくいかない、ないし苦手な人
  • 高血圧と初めていわれたけれども薬を飲みたくない人
  • 現在血圧の薬を飲んでいるが、それを減らしたい人

→ 高血圧治療3つめの選択肢 があります。こちらのPDFをご覧ください。(※別ページでPDFが開きます。)

患者様ご案内用動画

ストリーミング再生用URL(※専用ホームページで動画が表示されます。)