睡眠時無呼吸症候群・いびき~CPAP以外の治療①~
いびきでお悩みの方、無呼吸があるけれどCPAP(シーパップ)は大変そうだと思う方、睡眠時無呼吸症候群でCPAP治療をしているけれど、他の治療法がないかなど様々なお悩みを抱えておられる方が少なくないと思います。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に10秒以上呼吸が止まったり弱くなったりすることが1時間あたり5回以上あることで、朝の頭痛や倦怠感、昼間の眠気、さらには高血圧や糖尿病、ひいては脳卒中や心臓病、認知機能低下にまでつながることが分かっている病気です。その多くが、気道が狭くなることによって起きる閉塞性睡眠時無呼吸症候群であり、中でも治療が必要となる中等度以上の無呼吸の方は、現在国内では900万人を超える(文献1)とされています。
その中で最も有効でかつ安全な治療とされているのが、CPAP治療といって、空気を鼻から気道に送りこむことで、気道が狭くなるのを防ぐ治療法です。実際に本治療を始められてそれまでのつらさから解放され、血圧や生活習慣病のコントロールもよくなっている方も多いと思われます。それでも中には本治療が様々な治療からフィットしないと思われている方もいるのではないでしょうか。
そこで今シリーズでは、CPAP以外で睡眠時無呼吸に対処する方法をご紹介していきます。無呼吸はなくても「いびき」のみでお悩みの方にもお役に立つと思います。当院でもご指導、必要に応じて提携医療機関と連携して治療に取り組んでいます。
1肥満改善
2禁酒・節酒
3側臥位睡眠維持促進療法
4薬物療法(内服、鼻腔拡張テープ)
5睡眠導入剤の適切な使用
6マウスピース(口腔内装具)
7口腔筋トレーニング
8レーザー治療
9手術療法
・鼻腔を拡げる手術(鼻中隔矯正手術、下鼻甲介切除術、鼻腔腫瘍切除術等)
・咽頭(のど)を拡げる手術(軟口蓋形成術、扁桃腺摘出術)
日をあらためて、各項目について解説させていただきます。
第一弾として、肥満改善についてお話いたします。
楽しみにしてください。